Gone with the Wind: kōhen 1

アシュレは、スカーレットのくちびるが赤くふるえているのを見た。今まで人前で泣いた顔を見せたことのなかったスカーレットが、冬の光に照らされて、両手に顔をうずめ、肩をふるわせて泣いている。アシュレは動揺し、スカーレットに接吻した。が、一瞬の後、彼女を突き放し、もう何も残っていないと嘆く彼女に、「僕より愛しているものがここにある。それはこのタラだ」と言って、湿った土塊を握らせるのだった。戦争が終わり、タラの土地には300ドルもの巨額な税金が課せられ、スカーレットはその支払いに窮していた。窮余の策として、殺人罪で獄中につながれていたレットをアトランタに訪ねたものの、もくろみは破れ、途方に暮れる。その後、商売に成功していた、妹スエレンの婚約者フランクに偶然出会った彼女は、金を工面するため、一瞬のうちに、彼との再婚を決意するのだった。